2009 神明の花火
2009.8.7開催分 ※山梨県市川三郷町


 日常出逢う方々とたまたま話しが弾み、自分の趣味を「各地の花火観覧」などと吐露すると、十中八九「何処の花火がいいの?」と訊かれる。僕はそんなとき、ほとんど「神明の花火」と答えている。此処(神奈川県伊勢原市周辺)から、一番近くて本格的な大会は神明だよ、と。そして、場所を聞いたほとんどの人が最初は遠いと言うけれど、僕の言葉を信じて観にきた人たちはみんな神明リピーターとなっている。また来年もゼッタイに観たいとおっしゃって、実際本当にいらっしゃる。
 神明は、東京や神奈川からクルマで向かう人にはルートもいい。山中湖や忍野八海、もちろん富士山や河口湖、はたまた西湖・精進湖・本栖湖と、グリーン&アクア溢れるドライブコースだし、名物料理なども多数存在している。
 御坂みちを登って下って、広域農道を市川三郷町方面に向かうと一面に桃+葡萄畑が広がっていて、時間があれば市川三郷町内にある「みたまの湯」に立ち寄ってみるのもいいのではないだろうか。

 不況下の中、そうそうたるご協賛企業の名を連ねられて、山梨県下最大級、そして全国的にみても上位に君臨する神明の花火が2009年度も華々しく開催された。
 大会テーマは「キセキ」。観客と花火師との一体感が作り上げた花火大会の足跡を示す軌跡。花火師による魂のこもった夜空の宝石をイメージした輝石。メッセージ花火でサプライズを巻き起こす奇跡。「3つのキセキで元気をみんなに」が2009大会スローガンとなった。
 続々と観覧者が会場へと入ってくる。花火愛好家は思い思いの観覧場所で観覧準備を進めている。付近の住宅では庭にテーブルなどを運び出し、遠方からの客人を招いていらっしゃる。遠く離れた高台から、寄り添い合って花火開始をいまかいまかと待っている恋人たちも多数いるのだろう。
 アナウンスが頻繁に入るようになり、いよいよ開催間近となると会場内も熱気を帯びてきた。やがて開会挨拶。そしてカウントダウンコールが告げられた。神明は天候と風に恵まれる年が圧倒的に多い。オープニング花火が盛大に打ち揚げられると、一面オールクリアな視界。煙はササっと流れていく絶好のコンディションとなった。


競技花火映像
今年も5社5作品が技を競い合った。

戦国絵巻in神明


華麗なる夜空の舞踏会


永遠の輝きをあなたへ


ピュア♥ハート


シャングリ・ラ




 上記に添付した映像は、プログラムNo.10「競技花火」。山内煙火店さま、丸玉屋小勝煙火店さま、小口煙火さま、斎木煙火本店さま、そしてマルゴーさまが技を競い合ってくださった。すべて音楽付きのスターマイン。観客はどの作品にも酔いしれてしまっていて、甲乙つけがたいといった雰囲気。各社の決め玉や構成、発射のタイミングなどに僕もうっとりしっぱなし。やっぱり立体的なハートはかわいいな、と個人的にハマっていたりします。この競技花火はとても贅沢なプログラム。2009年度もラインナップされていて、とても嬉しかった。

 大会は、UTYテレビ山梨女性アナウンサーさんによるプロフェッショナルな進行で淀みなく進んでいく。早打ちもスターマインもテンポ抜群で、後半からの大型プログラムにつぐ大型プログラムは、観客の顔を一気に紅潮させるほどのパワーで圧巻。神明アイデンティティの2尺玉も5発放たれ、その感激は永久記憶となるであろう甚大な姿と輝きだった。んっ!! 2008年度の20回大会よりも豪華なのではないかな。そんなふうにも思いながら、神明の花火に酔いしれたスペシャルナイト。地の利に恵まれた素晴らしい会場で繰り広げられる大きな花火エンターテイメントは、遥か遠くから望む人々をも惹き付ける魅力に溢れていた筈だ。


特大スターマイン


天地人を彷彿とさせる特大スタマ「愛」
※映像途中の文字仕掛けには愛と書かれています。


特大スタマ「7つのチカラ」


結晶花連打&2尺2度咲き千輪入り特大スタマ
「輝く泉のように」




……時は江戸時代……市川では、
「七月おいで盆すぎて 市川の花火の場所であい(愛・会い)やしょ」
とうたわれ、神明の花火は、
恋人たちの出会いの場として親しまれてきました。
この場所でいっしょに花火を見ると、
幸せになれると言い伝えられています。

(※神明の花火倶楽部HPより抜粋)

 2009神明は「愛」に溢れていた。メッセージ花火内では、他大会では類をみない数のプロポーズ花火が堂々のラインナップ。「○○○結婚してください」系のメッセージ多数で、なんとも羨ましい限り。会場からも、大型プログラムに負けない拍手を贈られて、何度もくどいけれど羨ましい。

 ちょっと観覧記からは逸れてしまうけれど、高価ブランド品をプレゼントし続けて結婚しました、なんて話しはとんと聞いたことがない。やはり女性は、その男性の真の誠意を受け取りたいのではないかと思う。だが、誠意とはなかなか見えにくいものだ。だから、見えやすくする努力というか、テクニックが必要なのかもしれない。「女心と秋の空」なんて言葉があるが、言い換えれば、それだけ男性とは女性の変化に鈍感だと言えるのかもしれない。彼女が髪をカットした、彼女が新しい服を着てきた、彼女の機嫌が悪そうだ、それらの変化に気付くオトコは圧倒的に少ないような気がする。女性の涙を見て、初めてあたふたするのがオトコというものなのかもしれないが、きょうび、それではなかなかモテん世の中なのかも。
 独身花火愛好家に結婚云々系のことを訊くと、結婚はしたいと思っているが出逢いがないのだという。う〜ん、独身花火愛好家男性陣は「アタリオトコ」の宝庫だというのに、なんとももったいない。マメさをちょっぴり身に付けて、2010年は果敢にアタックして欲しい。


2009神明3部作テーマ花火「キセキ」軌跡〜輝石〜奇跡の3部映像


5発目の2尺玉打ち揚げ


メッセージ花火の一部




 神明の花火は癒し系&感動系で温かい演出が随所に盛り込まれているが、その神明の花火を根底で支えていらっしゃる市川三郷町職員の皆様も熱い意欲で溢れていらっしゃった。そして地元煙火店の方々もまた、神明の花火倶楽部運営や各学校での花火講座などを行い、神明の花火を心から愛していらっしゃった。
 2010年度、第22回神明の花火は既に動き出されている。今年はどのようなコンセプトで神明を魅せてくださるのだろうか。開催予定日は2010年8月7日。花火大会銀座といわれる8月第1土曜日だが、「市川の花火の場所であい(愛・会い)やしょ」。

 この日、神明で出逢ったかけがえのない友「たーちゃん」が、素敵なメッセージ花火を夜空に捧げた。彼の好きな結晶花。たいへんおめでとうございました。そして、神明の花火ファンクラブの皆様、2009年度も大成功おめでとうございます。


2009神明の花火 グランドフィナーレ




 ※2010.2.10観覧記公開。