2009豊田おいでんまつり花火大会
2009.7.26開催分 ※愛知県豊田市


 2009豊田の日中はとても穏やかだった。大不況のあおりをもろに受けた中での開催だっただけに、集まってきた観覧者は例年以上ににこやかなムードに思えたからだ。こんな不況の中でもお金を出してくれた企業、そして個人協賛者に感謝し、花火を観れる歓びを観覧者は改めて強く感じたのではないだろうか。

 入手したプログラムを見て、豊田おいでんまつり花火大会の主催者がいかに素晴らしく、かつプランニングパワーに溢れているということを今更ながらに思い知る。それは、豊田おいでんまつりのクオリティを下げない内容となっていたからだ。煙火業者はそのままに、日本煙火芸術協会特別作品、花火師紹介創作花火、そして豊田の象徴であるメロディ花火、5基同時打ちワイドスターマインはそのままプログラムされており、新たな試みとして、花火と和太鼓のコラボレーションがラインナップされていた。
 それは新鮮な感動だった。もしも本質を理解していない人が大会運営の権限などをもっていたりしたら、それら高価なプログラムはにべもなく廃止され、小玉ばかりを集めて数字的な帳尻を合わせてしまったかもしれない。いや、このような不況といったケースの場合、そのような判断を下す大会の方が多いのかもしれない。なのに豊田はそうではなかった。量は減らせど質は落とさないといった、とても素敵な選択をして、新たに和太鼓というテイストを盛り込んだのだ。

 その突然の豪雨は、花火開始まであと40分くらいというときだったろうか。超大型のゲリラ豪雨が豊田の会場を襲うことになる訳だが、その際の主催者対応と完璧な観覧者に僕はえらく感動する。それは次のようなアナウンスが入ってからだった。
 「皆様、ただいま三好地区にゲリラ豪雨が発生しております。雨具のご準備をお願い致します。繰り返しお知らせします……」
 そのアナウンス後、えっ? これってどっきり、と言っても大袈裟ではないくらいに、観覧者は一斉にレインコートをかぶり始めたのだった。もちろん傘を用意する観覧者もいたが、圧倒的に多いのがなんとレインコート。ものの数分で、雨降ってもいいですよスタイルがあちこちで完成し、僕の視界一面いままで見たこともない光景となった。と、ふと我に返って僕も雨対策を施す。豊田観覧者のあまりの準備の良さにポカンとしていたが、危機迫った空気に、僕もビデオカメラ保護にあたふたあたふた。

 アナウンスから10分ほどが経過したときだったと思う。それはそれはいままで体験したこともないスーパー豪雨がやってきた。オバケ雨と言いたいくらい1滴が異様に大きい雨で、降雨速度も量も怒濤系でございます。カラダに降ってというか当たると痛い。
 あっという間に、ナイアガラ設置の下あたり一帯が大きな水たまりと化した。浅い池と言ってもいいくらいだ。きっとメダカくらいなら悠々と泳げる水かさがあったと思う。バシャバシャ降ること約15分。見事なのは観覧者、まったくめげない帰らない。それはまるで、滝修行をイメージさせるほどの雨だったのだから。
 雨があがってほどなく、2009豊田は開幕された。松平わ太鼓さんによる勇壮なサウンドが会場に鳴り響く。磯谷煙火店さまによる開幕スターマインが始まった。そして、国内最高峰花火が次々と披露されていく。


オープニング


日本煙火芸術協会特別作品から
紅屋青木煙火店(割物)・磯谷煙火店(音楽スタマ)


花火師紹介創作花火から
田畑煙火店・紅屋青木煙火店


ダンロップさん提供の尺玉


終盤の元気花火




 ゲリラ豪雨という奴は、ホント気が利かない。花火開催中にもかかわらず、もう1回やってきた。だが、プログラムは中断無くそのまま進行。驚くべきは各煙火会社の技術力。これほどの雨量に見舞われたというのに、全社ノートラブルの打ち揚げはあまりにも見事。

 豊田は素晴らしい大会。煙火店といい大会構成といい、すべてにおいて洗練されているハイグレートな大会。2009年度は「元気花火」をキーワードとして、不況に負けない豊田、そして花火に未来を願う演出がとても素敵だった。それから豊田を愛す煙火店。数字上ではない職人魂をひしひしと感じた。「困っているときはお互いさま」、そんな言葉が空から聞こえてくる夜だった。
 2010年の夏は、カラッと晴れる日が多くなりますように。特に豊田〜柏崎のハードな移動が予想されますしね、なんとか穏やかであって欲しいと願うばかりです。


メロディ花火




 ※2010.1.25観覧記公開。