2009長野えびす講煙火大会
2009.11.23開催分 ※長野県長野市


 毎年11月になると、書店や文房具店、ホームンター等で翌年度の手帳が陳列し始める。そんな一角を通り過ぎると、焦ってしまうような気持ちになったりする。いったい何に焦っているというのか、自分でもよく判らない感情。
 12月にもなると、多種多様のカレンダーが追加され、そのコーナーは幅を大きくとってやけに賑々しくなっていく。そうなると自然にその前で立ち止まり手帳を吟味している自分がいたりする。どうやら僕はそのタイミングで購入するようだ。
 現在は様々な手帳が売られている。5年手帳・10年手帳なるものもある。1年前は何をやっていたかが一目瞭然なので、きっと使ってみれば便利なのだろうが、いかんせん大きいものばかり。いつも持ち歩いているバックに忍び込ませなければならないので、選んでしまうのは決まって小型の薄いタイプのものばかりだ。
 手帳を購入した夜、僕は決まって手帳の引き継ぎ作業をするようだ。ご丁寧にも、その年の12月ページが刷り込まれているので、以前のように新年を待たなくても引き継げる。最初に大切な人の誕生日などを書き込んだ後、暗記してしまっている日にち固定大会をスラスラと書き込んでいく。めくられた11月のページ、あたかも自分の名を書き込むような動きで、23日の欄に「えびす講」と書き込む自分がいる。

 いよいよ11月になると、これまた条件反射で無性にお蕎麦が食べたくなる。「えびす講観覧の前に長野のお蕎麦を堪能する」が、すっかり決まったコースとなっている。2009年度は、2店のお蕎麦屋さんをはしご。美味しいと評判の元屋さんと、毎年行ってる大善さん。非常にしあわせ。とってもとっても美味しいです。



 長野えびす講煙火大会は、紅屋青木煙火店さまと信州煙火工業さまによる一大花火ページェント。丹精込めて作られた星が詰め込まれ、多種多彩なデザイン創造花火や多重芯割物花火、音楽とシンクロするミュージックスターマイン等が澄み切った晩秋の夜空に燦然と光り輝く必見大会。花火処長野を代表する花火として、あまりにも相応しい。

 買ったばかりの手帳に11ヶ月先の予定を当然に書き込み、そして躊躇の欠片すらなく長野へ行き、蕎麦を食し、青木さまと信州さまの花火に感嘆する。そんなレギュラーな筈だったスケジュールが、ある日突然叶わなくなってしまうことも人生には起こりうるのだ。それは、仕事がうまくいかなくなったり、病気をしたり、家族が倒れてしまったり、または子育ての時期、子供が進学のため等々……。だから、来年はもしかしたら観れなくなるかもしれないとの思いで、僕は花火を観させて頂こうと心掛けている。そのような気持ちを生涯褪せさせたくないと思わせてくれる花火……、それが長野えびす講煙火大会だった。



 まだ続くであろう人生の中では、ひととき花火観覧から離れなくてはならないときもあるだろう。だが、いつの日か此処の場所に戻って来たいという熱い気持ちを持ち続けて生きていきたい。花火の美しさに、生きる楽しみを見出していきたい。花火を観ると幸せだ、そんな人生を送っていきたいと願うばかりだ。


ミュージックスターマイン
紅屋青木煙火店さま



ミュージックスターマイン
信州煙火工業さま




 ※2010.6.27観覧記公開。