年忘れ那珂川忘年花火大会2008
2008.12.31開催分 ※茨城県水戸市



 年忘れ那珂川花火大会は、とても温かな印象を受ける大会だ。それは主催者側と煙火店とが公的なとある組織でメンバー同士だったりするので、とてもアットホーム的なカラーが出ているのだと思う。以下は僕の勝手な推察にすぎないけれど、相当な良心的価格で打ち揚げを請け負っているのではないかと思っている。数々の名誉あるタイトルを受賞している一流煙火店の、地元サービスお披露目といった色が強いのだと……。

 大会内容は、花火ファンにとっては眼も眩む豪華なものだ。内閣総理大臣賞受賞作品を始め、隅田川等で受賞(優勝)した作品も披露される。野村花火工業さまによる芸術尺玉、創造花火の総てが鑑賞できるといっても言い過ぎではないほど豪華な内容だ。そして極めつけは、野村花火工業社長自らによる花火解説が付加されるところ。なんとまあ、気さくでほのぼのとしたお方であり、時折ユーモアを交えての解説は聞きやすく的確で、いまのはよく出た、いまのはイマイチだった、と仰られるそのお人柄に誰もが親近感を抱くのではないだろうか。

 大会本部真横ブースでは、年越し蕎麦、豚汁、甘酒が振る舞われ、ほど近い開けた場所では、ありがたい焚き火が設置される。揺れる美しい火のさまを手を翳しながら見ていると、ひとりまたひとりと火を囲む人が増え、ほのぼのとした冬の情景のワンシーンを、またひとつ記憶に刻むことができた。

 那珂川で揚がる花火は、夜空高く打ち揚がる尺玉が多い。おそらく水戸市内全域及び周辺で、美しい花火を観ることが出来るのだろう。遠花火の人にアナウンスは聞こえないだろうから、ボーン…………ボーン…………と程よい間隔をあけて。……時は大晦日。あと数時間で、この年が終わろうとしている特別な日。ある人は正月料理を準備しながら、ある人はお酒片手にベランダへ、ある人は大晦日も仕事をしながら那珂川の花火をチラチラと観ているのだろう。
 こんなにも美しい花火が水戸市で、それも大晦日に揚がる。何て素敵なんだろうと思う。1年最後の日を、芸術花火で飾って頂けるのだから……。水戸市民の皆様は、さぞかし喜々とした心境で新年を迎えられるのだろうと思う。

 とてもとても残念だが、2009年11月26日現在、2009年度「年忘れ那珂川花火大会」の開催は発表されていない。評判が広まり年々観覧者が増えていたので、もしや警備の問題等々が持ち上がってしまったのだろうか……。年忘れ那珂川花火大会の火を、どうか消さないで欲しいです。これほどまでに希有な大会は、日本中何処にもなく水戸市だけ。ただただ継続を願うばかりです。


尺玉映像



フィナーレ





 ※2009.11.27観覧記公開。