
クルマの中で目覚めると、朝8時。僕はちょっとした理由があって、昨夜遅くに現地入りしていたのだった。お空の色が何故かレモンイエロー。お察しの通りで、明け方近くまで花火愛好家の方とくっちゃべっていたので、完璧な睡眠不足なのだった。 朝の散歩を兼ねながら花火会場まで歩いて行ったが、異様な光景に驚いてクルマに急いで逆戻り。手にしたものは場所取り用のブルーシートである。 上の写真はまだ午前10時を過ぎていない。屋台の業者さんの中でも一番乗りの人が、やっと店道具を降ろしたばかりの時刻である。なのに、ところ狭しとおったっている三脚の数は尋常ではないのであった。朝8時30分の時点で、空き場所の方が圧倒的に少なかったのだから……。皆さん早すぎです。 以後、時間が経つにつれどんどん三脚の数が増えていく。一般客も何事かと、チラ見していく異様な一角が形成されてしまった。この日は諏訪湖の「全国新作花火競技大会」とぶつかっている。ある程度そちらへも愛好家が流れると予測していたのだが、まったくハズレてしまったようだ。 日中、三脚乱立エリアは花火愛好家の社交場と化していた。知らない者同士でも、共通の趣味の話題があればこんなにも簡単に盛り上がれるのだ。きっかけは何でもいい。「ここは何度目の観覧ですか」とか「8号はどこから揚がるんですか」とか、そんな言葉で掴みはOKである。お互い共通の趣味を持つ者同士なので、話題には事欠かない。次はどこを観覧する予定かなどと話しが進めば、もう愛好家仲間の出来上がりである。きっとここ水海道で、初めて誰それと出会ったなんていう人も多いのではないだろうか。
で、何故にこんなにも花火愛好家に「常総市みつかいどう花火大会」が人気なのかというと、ひと言で言ってしまえば「質の高い花火が鑑賞できる(打ち揚げ煙火店がすごい)」からだ。花火のことに少し興味をもってる人ならば理解してもらえると思うが、「○○の花火大会は○○煙火店さんが打ち揚げを担当してるから観に行きたい」と、花火好きはこう考えてる訳だ。 通常はその大会の地元業者(ま、最近はそうとも言えなくなり始めてはいるが)が花火打上を担当するが、ここ常総の花火は、地元煙火店の他、全国の有名煙火店の花火が多彩に打ち揚がることで花火ファンの心をがっちりと掴んでいる。 プログラムは何とも通好みの仕立てで、日本煙火芸術協会会員による8号芸術玉15発(審査は一般人気投票制)の「ファイヤーアートコンテスト」もラインナップ。他にも野村花火工業さまによる5号100発、山崎煙火さまによる音楽花火が3つ、日本を代表する煙火店玉披露の花火ミュージアム他、大型プログラムが燦然と組まれている。これら本物志向のプランニングは、常総市みつかいどう花火大会実行委員の皆様が素晴らしい目利きを持つ方々だという証である。 いよいよ開幕。ここの大会の素晴らしさが広く伝播され、年々来場者が急増している。満杯の観覧者を迎えて大会は盛大にスタートした。 ナイアガラ富士に点火されて、4号10カ所一斉打ちから8号へのオープニング。早くも北日本花火興業さまによる7号5発の新作コレクション、そしてスターマインを挟んで「野村陽一花火ギャラリー5号100連発」、山崎煙火製造所さまのミュージックスターマインパート1「花」へ。
メッセージが読み上げられて花火が打ち揚がる(花火に想いを託す)メッセージ花火(心温まる時間でした)、スターマイン、片貝煙火工業さまの7号新作コレクション、音楽花火パート2と続き、中盤のクライマックス「花火ミュージアム」。約7分間と長いですが、ノーカット版でお送りします。えい、音楽スタマパート3の「夜空のメリーと子守唄」(山崎煙火製造所)もクリッククリック。
続いて山内さまの新作コレクション、スターマインと続く。さすが常総市の花火、何も通好みのプログラムばかりではなく、ちゃんと子供たちも楽しめるプログラムを組んでいる。花火愛好家の中には子連れ観覧の方も多く、キャラものが出る型物系「イメージ花火・夜空のアラカルト」は素のパパに戻るチャンスの貴重な時間。アンパンマンだね〜、ネコさんだね〜、と子供と楽しむが、終わるな否や花火愛好家の真剣な顔に戻ってしまうのがなんとも微笑ましい。 いよいよ大会も残すところ5プログラム。野村花火工業さまの内閣総理大臣賞受賞作品「移りゆく季節の中で」、そしてファイヤーアートコンテストへ。
この日素晴らしい偶然が訪れた。それは僕が場所取りした至近距離に、尊敬してやまない花火愛好家さんが三脚を備え付けたのだった。各地で挨拶をさせていただいてはいるが、観覧場所がこれほど至近距離になったことは初めてだった。 うまく書けなくて恐縮だが、花火が一番いい姿になる直前にシャッターを開け、そして閉ざすタイミングが奮えてしまうほど絶妙なのだった。花火を直視しているので姿は見えないが、花火の発射音、開発音の中で、その方のシャッター音が明瞭に聞こえる不思議な夜だった。そのタイミングは、花火を知り尽くしていないと切れない呼吸な訳で、名実共に日本一の花火愛好家なのだと改めて思い知った晩となった。また、うまく説明できないが、いい玉が揚がった時のリアクションは僕のそれと同調していて、この感動は生涯忘れられない。 ラストの添付動画は、丸玉屋小勝煙火店さまによる「スペクタクル花火ショー ハナビリュージョン2007」。完全ノーカット版で、僕なりに精一杯の編集を施してみた。ぜひ視聴してやってくださいませ。 ちなみに2008年度の常総市みつかいどう花火大会は、名称が変更となり「常総きぬ川花火大会」となる。花火ファンの皆様、今年もこの場所に集い合いましょう。
※2008.1.14観覧記公開。 |